燻製ビールの魅力
燻製ビールとは?
燻製ビールとは、木の煙で燻した麦芽を使って造るビールです。
完成したビールを後から燻製するのではありません。麦芽を乾燥させる工程で薪の煙をまとわせ、その香りを麦芽とともにビールへ移していきます。
グラスを口元に近づけると、まず感じるのは香ばしい煙の香り。
ベーコンや燻製チーズ、薪を燃やした暖炉などを思わせる、奥行きのある香りが広がります。
しかし、ただ煙の香りが強いだけではありません。
麦芽の甘みやコク、ホップの苦味、酵母の柔らかな風味に燻香が重なることで、一般的なビールにはない複雑で立体的な味わいが生まれます。
最初のひと口では少し驚くかもしれません。ところが、ふた口、三口と飲み進めるうちに、煙の向こうから麦芽の甘みや旨味が現れ、次第にクセになる。これこそが燻製ビールの面白さです。
燻製ビールの歴史
燻製ビールの歴史は、実は「特殊なビールの誕生史」ではありません。
むしろ、昔のビールが持っていた香りを今に残した歴史です。
1.昔の麦芽には煙の香りがあった
ビール造りでは、発芽させた穀物を乾燥させて麦芽にします。近代以前、とくに湿度の高い中欧では、麦芽を十分に乾かすため薪火を使いました。その煙が麦芽に直接触れるため、造られたビールにも自然に燻製香が移りました。
火を使った麦芽乾燥は少なくとも約5,000年前まで遡るとされ、紀元前550年頃のドイツの遺跡からも煙で乾かした大麦が見つかっています。したがって、燻製ビールは後世の変わり種ではなく、古代から続くビールの原型のひとつと考えられます。
2.煙のないビールが新しい技術だった
大きな転機は1635年。イングランドで、燃料の煙を麦芽に触れさせず乾燥できる窯が特許化されました。
煙の付かない麦芽は、味を安定させやすく、安価で火災の危険も少なかったため、産業革命とともに普及。ドイツでも19世紀に新しい乾燥設備へ切り替わり、1900年頃には伝統的な煙乾燥窯の多くが姿を消しました。つまり歴史的には、燻製ビールが生まれたのではなく、煙のないビールが主流になったのです。
3.バンベルクに残った伝統
この古い製法を途切れさせず守った土地が、ドイツ・バイエルン州のバンベルクです。
20世紀初頭には同地で4つの醸造所が燻製麦芽を造っていましたが、現在まで自社の薪火乾燥窯を継続しているのは、シュレンケルラとシュペツィアルの2醸造所とされています。現在もシュレンケルラではブナの薪を燃やし、その熱と煙で麦芽を乾かしています。
現在の「シュレンケルラ」という呼び名は、1875年に所有者となったアンドレアス・グラーザーの歩き方に由来します。
フランケン方言の「腕をぶらぶらさせて歩く=schlenkern」から付いた愛称が、そのまま醸造所の名前として定着しました。
4.一度消えた燻製ビールも復活している
燻製ビールの伝統はドイツだけではありません。ポーランドには、オーク薪で燻した小麦麦芽を使う「グロジスキ」という歴史的スタイルがありました。一度は生産が途絶えましたが、2010年に復活。今回の限定品「シュレンケルラ・ア・ラ・グロジスキ」は、そのポーランドの伝統をシュレンケルラが再解釈したものです。
燻製ビールの特徴
燻製ビールの最大の特徴は、完成したビールを燻すのではなく、原料となる麦芽を薪の煙で乾燥させることです。
麦芽に移った煙の香りが、仕込みから発酵、熟成を経てもビールに残ります。
主な特徴は次のとおりです。
- 焚き火、燻製、木、ベーコンを思わせる香り
- 麦芽由来の甘みや香ばしさ
- 苦味だけではない、厚みのある味わい
- 使用する薪やビールの種類によって変わる煙の表情
- 肉料理、ソーセージ、チーズなどとの相性の良さ
商品案内
シュレンケルラ クラウセン 500ml
Schlenkerla Krausen
1678年から続くラオホビアの老舗ドイツ・バンベルクの名門「シュレンケルラ」が手掛ける、伝統的な「クラウセン」製法を用いた特別なラガービール。
クラウセンとは、発酵が活発な若いビールを加えて二次発酵させる昔ながらの製法。きめ細かな泡立ちと生き生きとした飲み口を生み出します。
シュレンケルラならではのほのかなスモーキーさに、麦芽のやさしい甘みと爽やかな喉ごし。燻製ビールでありながら重たさを感じにくく、食事にも合わせやすい仕上がりです。ソーセージやハム、肉料理はもちろん、チーズやパンなど普段の食卓にもおすすめ。
シュレンケルラ ア・ラ・グローズィスキー 500ml
Schlenkerla à la Grodziskie
中世からポーランドで親しまれてきた伝統的なビアスタイル「グロージスキー」が、名門シュレンケルラの手によって現代に復活。オーク薪で燻した小麦麦芽を使用し、上品で控えめなスモーキーさと、爽やかな飲み口を両立した個性豊かな一本です。アルコール度数は2.9%と軽やかで、きめ細かな泡立ちとドライなキレ、フルーティーなホップの余韻が心地よく広がります。かつて「ポーランドのシャンパン」とも呼ばれたグロージスキーは、20世紀に一度姿を消したものの、クラフトビール文化の高まりとともに復活。
シュレンケルラ メルツェン 500ml
Schlenkerla Rauchbier – Märzen
ドイツ・バンベルクを代表する伝統的な燻製ビール。
自家製麦所でブナ薪の煙により乾燥させた燻製麦芽を100%使用し、下面発酵で仕上げた濃色のメルツェンです。
焚き火や燻製を思わせる香りと、麦芽のやさしい甘み、香ばしさ、引き締まった苦味が調和。最初のひと口は個性的ながら、飲み進めるほど深いコクと心地よい余韻が広がります。
ソーセージや肉料理、熟成チーズとも好相性。
シュレンケルラ ヴァイツェン 500ml
Schlenkerla Rauchweizen
ドイツ・バンベルクの伝統を受け継ぐ燻製小麦ビール。
小麦麦芽と、自家製麦所で造られた大麦の燻製麦芽を使用し、瓶内発酵で仕上げています。
ヴァイツェンらしいフルーティーな香りと、酵母のまろやかさに、穏やかな燻製香が調和。
メルツェンよりも軽やかで柔らかく、自然な濁りときめ細かな泡、爽やかな飲み口を楽しめます。燻製ビールを初めて飲む方にもおすすめ。
燻製ビール4種飲み比べセット
専用ペアグラス+専用コースター2枚付
煙はひとつではない!
ドイツ・バンベルクの名門シュレンケルラから、個性の異なる燻製ビール4種を集めました。定番のメルツェンとラオホヴァイツェンに、限定品のクラウゼン、ア・ラ・グローズィスキーを加えた飲み比べセット。ブナ薪の力強い燻香、小麦の柔らかさ、爽快な飲み口、オーク薪による穏やかな煙の余韻を楽しめます。各1本に、専用グラス2個と専用コースター2枚を組合わせた、二人で味わう特別な秋のビールセットです。




