ビールのマメ知識

ホップについて

ホップ
 
ビールを製造する上で、麦芽・水、酵母、そしてビールの苦味・香りを左右するホップがあります。
このホップは、アサ科のつる性の多年草植物で、ビールの味や香りに重要な役割を果たしています。
ビールに使われるのは雌株の毬花(まりばな)の中に含まれる黄金の粉末「ルプリン」です。
ビール特有の「苦み」と「香り」を与え、泡の安定化や保存性を高める働きがあります。

ホップは北半球の穏やかな気候の場所に自生していますが、南ドイツのハラタウ地方で生産されるハラタウホップは世界中の様々なビールに使用される優良なホップです。
そのハラタウで多く生産される代表的な6種のホップをご紹介します。

ペルレ

真珠を意味するペルレは、ドイツのビタリングホップとして有名なノーザンぶるわーを親にもつ。ややスパイシーなアロマはミントのようとも表される。クリーンな苦味を与えるの賀特徴。

α酸 β酸 コフムロン Total Oil
4〜9% 2.5〜4.5% 29〜35% 0.5〜1.0%
ミルセン フムレン ファルネセン カリオフィレン
20〜35% 35〜55% 1%未満 10〜20%

ハラタウトラディション

ハラタウミッテルフリューを品種改良したもので、ミッテルフリューよりも病害に強い。品のある華やかさ、ハーブのような爽やかさをもたらす特徴。

α酸 β酸 コフムロン Total Oil
4〜7% 3〜6% 24〜30% 0.5〜1.0%
ミルセン フムレン ファルネセン カリオフィレン
17〜32% 35〜50% 1%未満 10〜15%

ヘラクレス

ヒュールホップ研究所で誕生した非常に高いα酸が特徴のホップ。その成分値に違わす、強い苦味を与える。シトラス、メロンのようなアロマも特徴。

α酸 β酸 コフムロン Total Oil
12〜17% 4〜5.5% 24〜30% 1.6〜2.4%
ミルセン フムレン ファルネセン カリオフィレン
30〜50% 30〜45% 1%未満 7〜12%

ヘラクレスミッテルフリュー

ハラタウ地方の代表的なホップ。ハーバルでスパイシー、かつ落ち着きのある風味はラガービール向き。このアロマを備えたホップを作るべく、さまざまな品種との交配が試みられている。

α酸 β酸 コフムロン Total Oil
4〜7% 3〜6% 18〜28% 0.7〜1.3%
ミルセン フムレン ファルネセン カリオフィレン
20〜28% 45〜55% 1%未満 10〜15%

マグナム

このホップもヒュー瑠ホップ研究所生まれのα酸ホップ。近年作付面積が増加している注目株。ドイツ産のマグナムはノーブルな香りをも備えている。

α酸 β酸 コフムロン Total Oil
11〜16% 5〜7% 20〜29% 1.6〜2.6%
ミルセン フムレン ファルネセン カリオフィレン
30〜45% 30〜45% 1%未満 8〜12%

ヘルスブルッカー

ベイエルン北部のヘルスブルック原産のアロマホップ。今では広くハラタウでも生産されている。心地良いスパイシーさとハーブのような香り。シトラスや柑橘のニュアンスもある。

α酸 β酸 コフムロン Total Oil
1.8〜4% 2.5〜6% 17〜25% 0.5〜1.0%
ミルセン フムレン ファルネセン カリオフィレン
17〜32% 35〜50% 1%未満 8〜13%

 

ホップの成分について

ホップ樹脂(苦味の成分)
α酸:苦味の成分。フムロン、コフムロン、アドフムロンなどの総称。熱を加えることでイソα酸という苦味の強い成分に変化する。コムフロンの含有率が少ないほど滑らかな苦味が得られる。
β酸:酸化すると水に溶けやすくなり強い苦味を呈するものもある。
ホップ精油(香りの成分)
ムルセン:青々とした香り、樹脂の香り
フムレン:木や松
カリオフィレン:木、シダー
ファルネセン:花のような香り
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