クラフトビールの流行りに比例してIPAビールが脚光を浴びています。
そもそもIPAビールとはどんなビールでしょうか?
コチラではIPAビールの発祥とその派生をご案内します。
IPA(インディア・ペールエール)の誕生を語るには、イギリスでのペールエールを知る事が大切です。
イギリスでは15世紀まではホップを使用しないグルートが主流でしたので、ペールエールの誕生は16世紀に入っての事と思われます。
そのペールエールがIPAと進化していくのは、イギリスが1858年〜1947年までの約90年間インドを植民地としており、多くのイギリス人が本国からインドへ移住しており、その移住イギリス人たちがペールエールを必要としました。
当時の輸送手段は船舶のみで、航路はアフリカ大陸を南方からぐるりと回るので、赤道を2度も通過せねばならず、激しい温度変化にさらされるペールエールの品質確保のために、防腐効果のあるホップを大量投入し、それにより苦味が強くなるためにバランスをとるためにモルトの甘味も増やし、さらにアルコールも高くすることで品質の確保を図りました。
その強化されたビールがインディアペールエールと呼ばれ、インドだけでなく、本国のイギリスでも人気が高まり、現在のイングリッシュスタイルIPAが定着しました。
イギリスで定着したIPAはアメリカ大陸にも拡がり、1960年代後半からのクラフトビールブームの波に乗り、アメリカンスタイルIPAと姿を変化させて定着していきます。
イングリッシュIPAとアメリカンIPAの違いは、ホップの香りが違います。
イングリッシュタイプのホップは若草や紅茶のような香りに対し、アメリカンタイプのホップはグレープフルーツなどのような柑橘系の香りがします。
さらにアメリカンIPAはWIPA/インペリアルIPA、ニューイングランドIPA、フレッシュホップIPA、フレーバードIPA、レッドIPA、ホワイトIPAなどに姿を進化させ拡がっています。
自由奔放に姿を変えているIPAは世界中に拡がりをみせ、伝統的な製法を特徴とするベルギーやドイツなどでもIPAを造る醸造所が増え始めています。