グラス11 欲望の昼下がり<後編> エピローグ

相変わらずカフェの男たちは美女に目がない。
その日。
彼女たちが入ってくると彼らの目は釘付けとなった。

店長安倍「久々にいい女だな、しかもナイスバディだ」
シェフ八嶋「それも3人ですよ、目移りしちゃうなぁ」

片桐主任と目があうと、彼女はやれやれという表情を返した。いつものことだ。

お水を持って席に行くと、3人とも海鮮サラダとビールを注文した。オーストリアのエーデルワイス スノーフレッシュだ。

ランチとしては軽い気もするが、美しい人は食事にも気を使うのだろう。

食事のあと、私は彼女たちに呼ばれた。
そして少しの間おしゃべりを楽しんだ後、3人は上機嫌でかえっていった。これからゴルフのレッスンがあるのだという。

店長「オイ、お前彼女たちと知り合いだったのか?」

私「ええ、まあ」

店長「何話してたんだ?」

私「店長お忘れですか?ちょうど一年前、うちにきてお店のメニュー全部食べつくした3人姉妹がいたじゃないですか」

店長「ああ、あの太った3人の女・・・」

店長、シェフ、主任「まさか・・・」

私「あの日、3人はダイエットを決行する直前で、あのときがいわばランチの食べ収めだったんだそうです。翌日から彼女たちは涙ぐましほどの努力をして、やっと目標を達成しました。今日は一年ぶりのお祝いのお祭りだといってました、ガウダーなんとかという」

主任片桐「ああ、ガウダーフェストね。年に一度のチロル地方のお祭り・・・ 」

私「さすが主任、よくご存知ですね・・・店長、シェフ、どうかしましたか?目が点になってますよ」

店長「オイ、八嶋」

シェフ「は、はい・・・」

店長「なんだか女がわからなくなってきたぞ・・・」

シェフ「はい・・・」

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